もぐさ香る夜

  • Day:2005.11.08 01:59
  • Cat:葯房
11月7日 (月)   曇り

ああ、自分が臭い。や、嫌いな臭いではありませんけれども、決して好い香りとも言えないのです。

sanekata.jpg  かくとだに えやは伊吹の さしも草
  さしも知らじな 燃ゆる思ひを


私の好きな和歌の一つ、藤原実方朝臣(左図)の恋の歌ですが、今夜は思わずこの歌を思い出してしまいました。(詳しい解釈などはこちら
私から、もぐさの燃える臭いがするんです。

何故なのかと単刀直入に言いますと、今日はお灸をすえられたからです。誰かに怒られたという意味ではなくて、物理的に本物のお灸をすえられたのです。具体的に言いますと、それは肩から腰にかけて行われました。

そうなんです。私は今日、香港で針灸の初体験をしたのです。日本では経験があったのですが、中国医学の本場(の端くれ。地理的に)である香港では初めての体験でした。肩こりや腰痛はありましたし、冷え性だし、針灸医を訪ねたい気持ちは山々でしたが、仕方がありませんわ。だって、どこへ行って良いのやら、どこが信用できるのやら、さっぱり分からなかったんですものね。

そんなこんなで香港生活5年目の節目となるこの年、やっとそのときがやってきました。平たく言えば、殿の知り合いからの紹介です。殿は私が雲隠れしている間に数回行ったらしいのですが、今週はちと訳あって行かれません。「とりあえず君の分の予約を入れておいたから、月曜日にお行きなさいな。僕は来週行くからさ」と殿に言われ、今日、独りでちょっとどきどきしながら行ってきました。

殿から「すごくローカルな場所だからね」と聞いてはいたのですが、果たして、雑居ビルの中にあるその診療所は本当にローカルなところでした。

ドアを開けると、正面に漢方薬の並んだ棚があり、待合室みたいになっているところには患者と思われる人が数人。部屋中、漢方薬の匂いがします。一応7時に予約はしているものの、どうしたらよいのかよく分からないので、漢方薬の棚の向こうにいるおば様に予約している医師の名刺を見せ、座らされた椅子で待つこと数十分。どうやら混み合っていたようで、結局私の問診が始まったのは、8時近くになってからでした。

問診は以下のようなもの:
・どこか悪いところがあるのか
・それはどれくらい続いているのか
・便通は良いか
・便の状態(色や柔らかさ)はどうか
・尿の出はどうか
・尿は何色か
・生理の周期や、不順でないか
・経血量はどうか
・生理痛はあるか
などでした。
そして、脈を診て、舌を見ます。

その間にも、カルテには次々に漢字が並んでいくのですが、中国語だし崩れた字なので、何が書いてあるのかはさっぱり分かりません。
しかし問診と言っても、英語がしっかり通じるわけではないので、どこまで通じたのか甚だ疑問。今度は筆談も交えてみようかしら。

問診が終わると診察室へ入って、いよいよ針タイムです。念のため、針は使い捨てなのかどうかを聞いてみると、「毎回新しいものを使い、一度しか使いません」とのこと。…信用しよう、とりあえず。

本当は気になっていることがあるのですが、信頼できる医師なのか、この人の治療が私の身体に合うかどうかまだ分からないので、その本題は置いておいて、様子を見るために今日は腰痛と肩こりを訴えました。

ああ、針治療って快感。いや、すごく痛い治療もあるんでしょうが、私が今まで経験してきたのは、チクッとした最初の痛みに続く、ズーンと身体の奥に響くような鈍い痛みで、我慢できないほど痛いということはありませんでしたので、快感なのです。

<ここから先は、私はうつ伏せで寝ていたのでこの目で見たわけではありません>
あっちこっちに針を刺されたとあとは、針を刺した部分に暖かいハロゲンランプのようなものを当てて、30分待ちます。あ~、暖かい。極楽。
30分経つと先生がやって来て、カサコソと音を立てています。刺された針に何かが触る感じがします。カチッ、カチッ、シュボッと音がしました。少しして、もぐさの燃える匂いがしたので、自分は今お灸をすえられているらしいと言うことが判明。ハロゲンランプですっかり暖かくなっていたので、お灸の熱が急には分かりませんでした。
しかし、もぐさの匂いが強くなるにつれて、腰の辺りにじわぁ~っと熱を感じるようになりました。ああぁ~、極楽浄土はここにありき。

そんなかんじで治療は終了。ご飯はすぐに食べても良いけれど、お風呂は2時間以上経ってからにしてね、と先生がおっしゃりました。2時間ね…、と時計を見やると、なんともう9時を回っていました。ぎゃっ!なんだかんだで問診から1時間以上経ってるではありませんか。どうりでお腹も空くはずだわ。No wonder!

ベッドから降りると、なんだか足元がふらつきました。どうしたんだろう。10分くらいで元に戻りましたけれど。

これで調子が良いようならもう来なくていいわよ、と先生。え?針灸って、中医って、根気よくやるもんじゃなかったっけ?この一回で終わりなの?でもほら、腰痛と肩こりの他に、冷えもあるって言ったじゃありませんか。あっちの方はどうなんでしょ?そっちもよろしく頼みますわ。ってことで、また来週に予約を入れたのでした。

Comment

私も子供の頃から鍼灸へは行っていましたが(視力回復とか腰痛とか)、矢張り針が体に合わないみたい。bonbonみたいにくらっときて、1時間以上動けないの。歩いたら倒れるからそのまま座り込んじゃう感じ。それに大人になってから行ったら腰も背中も痛い痛い。

そこの先生は家族全員&その友人たちもお世話になっていてそんなことは一度も無いといっているので、多分私の体が原因。

だから針なんて行きたくないぃ!
うらやましゅうございますわ・・・お灸だなんて・・
私、千年灸で我慢いたしておりますが・・
以前、部屋でこそこそやっていて、家中に香が漂い、危ないものと間違えられた記憶がございます。・・香港では、このようなこともなさそうで・・あぁ・・本当にうらやましい・・
では・・ごきげんよう。
  • 2005/11/08 13:23
  • ihoko
  • URL
針、行こうかな。
かなりつろうございます、Gardenの肩。
日本に帰ったときにいつも集中的に針をしてるけれど、、、次の帰国まで待てないぐらいに肩がガチガチです。
中国ってやっぱり針の本場だからいいのかしらね。
因みに英語も広東語も普通話も話せなくても、大丈夫かしらん?w
■檸檬ちゃん
そうなのよ。なんだかくらくらしたの。あれはなんだったんだろう。
針の先生も、合う合わないがあるからね。そんなにひどいなんて、もしかしたら合わなかったのかもね。
ま、でも針治療が全てってわけでもないし、自分に合うものを選べばいいんだけどさ。

■ihokoさん
千年灸、私も好きです。でも、一度やったら、家の中が煙臭くなって、殿に煙草でも吸ったのかとかなり怪しまれました。(殿は煙草を吸う女性は苦手なのです) それ以来、やってません。
あれって、気持ち良いんだけれど、背中側は自分ひとりではできないんですよね。

■がー子ちゃん
気持ち好かったよ。
ただ、せめて英語ができないと難しいかも…。最初に問診があるし、症状を訴えられないのは厳しいもんね。
  • 2005/11/08 23:31
  • bonbon
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