潜水服と蝶々

  • Day:2008.02.14 19:21
  • Cat:書房
2月14日 (木)   曇り

カフェ氏、ぷる氏、カエル氏
<三氏近影>

公開前から楽しみにしていた映画を観にいきました。
英語の題は「Diving Bell and The Butterfly」。(仏米合作で。仏題は「Le Scaphandre et le Papillon」)日本でももう公開されているようです。邦題は「潜水服は蝶の夢を見る」だって。
日本の公式サイトはコチラ
あらすじなどは、コチラが詳しいです。
潜水服★★★★☆
主人公のジャンは、ファッション雑誌ELLEの編集長。目が覚めると病院にいた。医師の説明で、自分が脳溢血で倒れ、3週間近く昏睡状態にあったことを知る。
左目以外は全身が麻痺していて喋ることもできない。
言語療法士は彼とコミュニケーションをとるためにアルファベットの書かれたカードを示して、アルファベットを一つずつ読み上げる。該当するアルファベットのところでジャンが瞬きを一度し、それを繰り返して単語や文章をつづる日が続いた。
気の遠くなるようなその作業で、彼は本を書き上げた。
これは、実際にあるこの同名の本をもとにした映画。

重ーい映画だろうな・・・と、かなり覚悟を決めて映画館へ行ったのだけれど、思ったよりも明るい・・・というか、そこまで暗い映画ではなかった。救われた思い。

詳しい解説は、リンク先などを参考にしてください。
ここでは、私の感想をちょっとだけ書きます。(内容に触れます)

*   *   *   *   *

巧みな演出とカメラワークで、脳溢血で全身麻痺という非常な状況にある主人公への感情移入がしやすいです。全体の半分以上が、主人公の左目で見た風景。特に最初のうちは、主人公の顔さえ見せません。

映画の初めにある医師からジャンへの説明で、「もう病院にいるから安心だよ。あなたは生きられますよ」(かなり意訳)というようなセリフがあって、それを聞いたジャンは動かない四肢や周囲の看護士や医者の顔、つながれた点滴などをさっと見回して「これが生きる?」「これが人生?」と問う。(麻痺していて喋れないので、他者に聞こえる声にはならない)
そして、彼を見舞いに来た男性が、「どういうことになっても、人間らしさを失っちゃいけない」と言うのですが、今の状態で生きることに希望を見出せていなかったジャンは、それに対しても「これのどこが人間らしいのか?」と問います。

最終的に彼が出した答えは、「それも人生」でした。

今の自分は、意識はハッキリしているのに身体を動かすこともできなければ、喋ることもできない、まるで潜水服(昔の潜水服)のなかに閉じ込められているようなものだけれど、想像だけはこの潜水服から出て自由にどこへでも行くことができる。きれいな女性を抱くことだってできる。・・・そう思えるようになって、出た答え。
美味しいものを食べて、美しい女性を抱くことを想像しながら、医者も看護士も、見舞いの人もいない病院の日曜日を退屈がるジャンは、非常に人間的だと思いました。

映画のところどころで涙があふれます。今思い出しても泣けてきますが、無理にジャンに対する同情を促すような演出はなく、決してお涙ちょうだい映画ではありませんでした。

やや残念だったのは、ジャンの心境が絶望から立ち直る過程がさらっと描かれすぎていたような気がするところでしょうか。
彼がどう立ち直ったのかではなく、その後彼がどう「生きた」のかを描いている作品なので、まあそれはそれで良し・・・とも思いますが。個人的には、もうちょっと彼の苦悩というか、葛藤というか、そういったものがあっても良かったのではないかしら・・・と思います。
でも、人生はそれほど劇的なものではなく、実際には至極淡々としたものなので、いやらしく演出するよりは、あの方が良かったのかも・・・とも思います。

日本語字幕でもう一度じっくり観たいです。

*   *   *   *   *

それにしても映画鑑賞中、私の脳みそはとても忙しかった。
フランス語、中国語、英語の全てがある程度は理解できるのが災いしていたのです。
<耳>フランス語のセリフ=6割がた?理解できる
<目>中国語字幕=8割がた?理解できる
   英語字幕=8割がた?理解できる

フランス語で耳から入った音を言葉として理解しつつ、目から入った漢字(中国語)は、単語によっては頭の中で勝手に発音され、英語も然り。つまり、ところどころ頭の中で3つの音がいっぺんに聞こえるという感じ。
しかも、字幕とセリフは語順が全く同じではないので、フランス語は「A」と言っているのに、中国語は「B」で、さらに英語では「C」・・・という状況がときどきやってくるわけ。
こうなると、わけが分からないのですよ。情けないけれど、無理もないでしょ?
セリフが理解できる言語でなければ(英・仏・中以外なら)、字幕を読むだけですむのでもうちょっと楽なんですけれどもね。
これが、日本語字幕でもう一度観たい理由のひとつ。今日の一度では理解できなかった部分がたくさんあるはずです。

映像、音楽、さすがはフランス!とってもおしゃれでした。

このあと観たい映画は、「4months, 3weeks and 2days」と、「Juno」。どちらも望まない妊娠ものですが・・・。
あとは「Bucket list」とか、「Love In The Time Of Cholera」とか。

香港は安く映画を観ることができて、本当にありがたいですね。

Comment

私の場合フランス語が全くわからないので、字幕に集中するのみ!!ですね。
この主人公、頭の中はしっかりしているんですよね?それゆえの葛藤や絶望を考えるとちょっと見るのが怖いですが、映像がきれいという感想を信じてみてこようと思います。
  • 2008/02/15 14:11
  • joona
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映画とはまったく関係ありませんが、、、
このぷる氏、先日から非常に気になっております。
うぅ可愛すぎる・・・
  • 2008/02/15 18:51
  • emibel
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■joonaさん
葛藤や絶望の描写は、私にとってはちょっと物足りない感じもしましたが、
いずれにせよ、そんなに暗い映画ではありませんでしたよ。
フランス映画自体に拒否反応が出なければ、大丈夫です。(笑

■emibelさん
可愛いでしょぅ?
作ってくれた友人に感謝です。
  • 2008/02/15 21:01
  • bonbon
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  • Edit
これを見たいと思ったまま、時間がなくて見ずに帰国してしまいました~。日本で見ます!代わりにEnchated見ました。ごきぶりが出たシーンは叫びました・・・

字幕の件、わかります!といっても、私の仏語&中国語理解度は低いですが・・・基本的に英語字幕に頼りますが、難しい単語なんかだと、中国語見たほうが意味がわかったりするから、便利なような目を使うような・・・

日本だと前のように映画が見れなくなるのがつらいです!!
■j'adoreletheさん
お引越し、お疲れ様でした。日本はいかがでしょうか?寒いでしょ。
日本でも公開されているようなので、是非日本語字幕で!(笑
EnchatedのGのシーン、私は話を聞いただけですが、
日本人にはちょっと信じられませんよネェ。見なくて良かった。
やっぱり、セリフがドイツ語とか、全然わからない言語の場合は、
まず中国語をざっと読んで、余裕があればそれから英語を読みます。
でも、私は英語を読むのが遅いので、字幕全部は読めません。
日本は本当に高いですよね~。高すぎ!
  • 2008/02/18 22:47
  • bonbon
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見てきましたよ~。いい映画でした。
お客さんも多かったです。
  • 2008/02/19 15:59
  • joona
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■joonaさん
そうなんですよ。お客さんが多いですよね。
人が入らなくてすぐ終わっちゃうでしょ・・・という
私の期待を裏切る人気です。(笑
あ、IFCと油麻地だけだから、お客が集中してるだけかな。
しかし、いずれにせよ、とても良い映画ですね。
  • 2008/02/20 09:31
  • bonbon
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