時代デビュー(2)

  • Day:2008.04.24 13:20
  • Cat:書房
4月24日 (木)   曇り

どこだっけ?
<どこだったかしら・・・>

数日前に時代小説を読んでみようかしら・・・と書きましたが、とうとう昨日から読み始めました。
早速トマトブックスに行って探してみたところ、マダムCにコメントでおすすめいただいた作家の一人、北原亞以子の「その夜の雪」というのが10ドルコーナーに並んでいたので、まずはこれから始めることにしました。
10ドルじゃない古本コーナーには他にもいろいろありましたが、時代小説が好きになれるかどうか分かりませんから、ハッキリするまでは投資は小さい方が良い。なんたって、昔の人の名前は覚えにくかったり、背景が現代と違いすぎてどうも感情移入しにくかったり、そもそもストーリーの根本の部分の理解に苦しんで作品に没頭できなかったり・・・というリスクが時代小説にはあります。

その夜の雪 (新潮文庫)その夜の雪 (新潮文庫)
(1997/08)
北原 亞以子

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「その夜の雪」は、7つの短編なんですが、昨日の夜数時間でタイトルの「その夜の雪」を含む最初の3つを読み終わりました。

タイトルの「その夜の雪」の舞台は、現在の八丁堀~新川のあたりでしょうか。本の中では、八丁堀は八丁堀ですが、新川のあたりは「霊岸島」です。福井藩松平越前守の下屋敷があったようです。
しかし、昨日本を読んでいるときにはこれがどのあたりなのかさっぱり分からず、やや悶々といたしました。
※霊岸島についてはこちらをどうぞ→八丁堀周辺歴史案内
※江戸時代の古地図はこちらをどうぞ→goo地図

因みに、途中に
「左側が新堀で、そこにかかる湊橋を渡れば永久島であった。朽木島といっていたところを、七十年前あまりの宝暦頃から埋め立てたのだという。埋立地はみな町屋となった。」
という箇所があることから、これは文政の終わりごろか天保の頃のお話だと思われます。時の将軍は徳川家斉または徳川家慶

私は東京生まれで東京育ちなんですが、山の手(新宿)生まれの山の手(原宿)育ちだもんですから下町方面の地理についてはさっぱりです。今でこそ興味を持ち始めて少しはイメージできるようになってきましたけれども。
私の好きな作品(夏目さんとか、森さんとか)によく登場する東大周辺も、自分が生まれ育った町ではないのでいまいちピンときません。本を読んでいる途中で地図を確かめることもよくあります。面倒ですが、仕方がありません。

地理以上にピンとこないのが、時代小説の登場人物の職業。
この本に出てきたお話の中で言えば、版画の彫り師とか摺り師とか、左官とか、髪結いとかは分かります。
でも、「その夜の雪」では現在で言う警察関係の人々が登場し、それがよく分かりません。それが分からなくても話の展開にはそれほど関係ないので、一応は読み終えることができましたが、やっぱりスッキリしないので調べました。
  ・主人公の慶次郎は定町廻り(じょうまちまわり)
  ・慶次郎には辰吉という手先がいる
  ・慶次郎が勤めるのは、南町奉行所
  ・慶次郎は、定町廻りになる前は見習い同心だった
  ・慶次郎は、もうすぐ臨時廻り同心になる
  ・慶次郎の娘の婚約者は吟味方与力(ぎんみかたよりき)の三男
ざっとこんなところ。

検索してみると、次のようなことが分かりました。(私なりの解釈です)
  ・定町廻りとは、同心の役の一つ。世襲制。
   決まった順路をパトロールして廻る人。
   現代のお巡りさんよりは花形職業だったと思われ。エリート。
   でも給料は高くはなかった。
   岡引き(部下)の給料を払うため、内職していたりもする。
  ・手先は、同心の下の下。
   順序で言うと、同心の下には岡引(おかっぴき)がいて、
   岡引の下が手先。
   給料が低いので、チンピラまがいのことをして生活していたりもする。
  ・南町奉行所は、現在の有楽町駅付近にあった。
   北町奉行所は、東京駅付近。
  ・見習い同心は、同心の見習い
  ・臨時廻り同心とは、定町廻りの足りないときに臨時で出て行く人。
   定町廻りの経験者が勤める。
  ・吟味方与力とは、吟味方と与力からなる単語。
   与力は同心の上の位で、その上にはお奉行様がいる。世襲制。
   吟味方とは、容疑者の取調べなどを行う人。
参考文献:
江戸の与力・同心/町奉行所跡/岡っ引き学/町奉行所


この慶次郎というのは、NHKのドラマ「慶次郎縁側日記」の慶次郎さんです。あのドラマは好きなんですけれど(かたせ梨乃が好き)、この北原亞以子が原作だったんですね。
「その夜の雪」は、ちょうどこのドラマの第一話のようです。

ちょっと分からないのは、有楽町駅にあった南町奉行所に勤める慶次郎の受け持ちが、浅草のほうだということ。(途中でそういうセリフが出てきます)
浅草って、有楽町からはずいぶん遠いじゃない?
参考文献も斜め読みしかしていないので、もうちょっとじっくり読んだら分かるのかな。
あとね、この時代の人ってよく歩くのですね~!もちろん、今のようにバスや電車がないのだから、歩くのが一番一般的な移動手段だったんでしょうけれど(籠に乗るのはお金がかかるでしょうしネェ)、根津から馬喰町まで歩くってんだから、すごい。半刻で歩けるというのですが、一刻は今の2時間くらいだから、半分で一時間。あの距離を一時間で歩けるの?すごいわ・・・。

こうしていろいろとお勉強すると、理解が深まって面白くなりますね。
それにしても、影響されやすい私は、こんなものばかり読んでいると言葉遣いが「てぇへんだ!」とか、「ご免なすって」とか、そんなふうになりゃしないかとちょっと心配。

Comment

をを、ちょうど1冊目を手に入れるたぁ、運のいいお人だ。
でもちっとばかし切ないお話だよね。お気に召されたかしらん。

あたしもこのシリーズを読んで、当時の警察的おすぃごとの関わり具合を知りました。あとね、誰の作品だったかなぁ、主人公が橋を守る役人ってのがありましたな。あれもけっこう面白い。当時の橋の役割がわかって。

本当に昔の人は健脚だったよね。ナンバ歩きをしていたから疲れ難かった、という説があるけど、実際はどうなんだろう??
最近すっかり読書から遠ざかっています。
時代小説とは初めて聞きました。お恥ずかしながら・・・。

時代劇にはまったことはありましたけれど、
文章で時代背景を想像し理解するには、やはり基礎知識が必要ですよね?

探究心のお強いボンちゃんには、合うのでは?

*冒頭の写真ですが、九龍城あたり?
  • 2008/04/25 10:42
  • Hachi
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■ちょいさん
へぇ。これも全てねえさんのお陰でさぁ。
(まだまだ江戸弁が板についてないわ・・・ 涙
おもしろーい♪です。
そそ。場所柄もあるんでしょうけれど、橋がずいぶん出てきました。
そのお話も面白そうですね。

ところで、「なんば歩き」ってなぁに?と思い、調べました。
http://www.mizuno.co.jp/walking/namba/vol_1/index.html
そう言えば、「武士の一分」だったか何かで、
お侍さんが西洋式歩行を習う場面があったのを思い出しました。
あれか!
私も、着物を着たときにはこれに近い歩き方になる気がします。
着物で動きやすいように動くと自然にそうなるって感じですが。

■Hachiさん
背景を理解していなくても、読むことはできますよ。
私も江戸時代のことなんかよく分からないですし。
ストーリーには直接関係しないことが多い気がします。
でも、理解していた方が面白みが増しますね。
その点では、調べ物好きの私にはぴったりかな。
でも、調べ物を抜きにしても、
時代劇が好きだったら小説も面白いと思います。

写真はねー・・・、確か太子。花墟道近くだったかな?
  • 2008/04/25 11:13
  • bonbon
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